診療科 タイトル 概要
(事案・処置・結果・争点等)
参照先
(URL, 文献名等)
産科 帝王切開、肺血栓塞栓症

CPD(児頭骨盤不均衡)と判定された産婦について、帝王切開後、肺血栓塞栓症により心肺停止し、蘇生後に大学病院へ搬送されたが低酸素脳症を発症して約10ヶ月後に死亡した事案。
帝王切開の前に試験分娩をすべきだったか、肺血栓塞栓症の予防義務違反の有無、急変後の措置・対応等が争われた。(示談)

 
分娩時脳性麻痺(分娩監視装置による分娩監視)

不妊治療で妊娠した高齢初産の産婦に、メトロイリンテルによる分娩誘発を行っていた。途中、破水の訴えや陣痛発来はあったが、分娩監視装置の装着はなされず、再装着したときには、児は高度徐脈で、仮死で出生し、重度の脳性麻痺が残存した。分娩監視装置の装着による連続的分娩監視義務違反があるか否かなどが争われた。(和解)

センターニュースNo.301(2013年4月1日発行)
分娩後の母体大量出血による死亡

産婦が、経腟分娩後の弛緩出血によりショック状態になった。子宮圧迫、輸血、子宮全摘術などの治療が行われたが、死亡した。分娩後の経過観察、出血性ショックに対する初期対応の適否について争われた。(示談)

 
妊娠中毒症・羊水過少症

妊娠中毒症・羊水過少症の妊婦に対し帝王切開で児を娩出したが,児は呼吸器などに重度の障がいがあり死亡した。高次医療機関で対応すべきこと,経過中のボルタレンの投与や出産後の対応の不適切さなどが指摘された事案(和解)

 
新生児の体温管理・低酸素性虚血性脳症

相手方病院における分娩後、蘇生及び体温管理が不十分なために低酸素性虚血性脳症を発症し、脳性まひになった事案。
医学的機序、蘇生義務違反、搬送義務違反が争点となった。(和解)

 
分娩方法の選択(吸引分娩・帝王切開手術)

吸引分娩を何度か試みたが児の娩出に至らず、さらに吸引による娩出を継続したところ、低酸素脳症になり重度の後遺障害が残ったケースについて、吸引分娩によって娩出できなかった時点で帝王切開に切り替えるべき注意義務違反があったか否かが争われた。

 
新生児仮死に対する処置

出生後、呼吸状態・循環状態となり、重度の後遺障害負い、出生5年後に死亡したケースについて、児に対する適切な処置をとらなかったことによる後遺障害発生の責任有無が争われた。

 
新生児仮死に対する処置

母体内で仮死状態に陥り新生児仮死状態で出生したが、出生後、呼吸状態が悪かったにもかかわらず、十分な蘇生処置が講じられないままに重症新生児仮死状態が継続した。出生後約40分が経過して初めて気管内挿管の処置を受け、転送先の病院で治療を受けたが、重症仮死は改善されることなく、低酸素性虚血性脳症を発症し、脳に不可逆的障害を負い、重度の脳性麻痺に陥った。分娩方法の選択及び新生児仮死に対する処置に誤りがあったかどうかが争われた。

 
痙攣重責 高炭酸ガス血症 重度の後遺症

出生直後の児が痙攣重責状態、高炭酸ガス血症の状態にありながら適切な処置を講じなかったため、重度の後遺障害が残ったケースについて、出生直後の児の状態を把握し適切な処置を講じなかった注意義務違反が争われた。